Publications

特務機関 ムスリム同胞団 誕生..目的..発展

AED 30

Buy Now

978-9948-846-30-7

0 Views

Books


特務機関 ムスリム同胞団 誕生..目的..発展


  •  ムスリム同胞団の組織構成は創設者ハサン・エルバンナー
    が一般メッセージに定めたビジョン、理念及び思想的基礎
    を体現化し、「サラフィー宣教、タリーカ・スンニー(ス
    ンニ教団)、スーフィー真理、政治組織、社会思想、スポ
    ーツ団体、科学文化連合、経済企業」としての同胞団の包
    括性を確証する。 機関、組織及び管理構造を含むこの構
    成は、同胞団の目的とともに歩み、特にカリフ制再興及び
    世界の教導に関してエジプト内外においてその実現への活
    動がなされてきた。
  • 機関、組織及び管理構造を含む組織構成は、同胞団の理念
    や思想を実現するとともに、権力の座に就き、社会変化を
    促す政治計画を実施するための主要な方法であるため、ム
    スリム同胞団の指導者にとって極めて重要な意味を持つ。
  • 最高指導者及び所属組織は同胞団の組織構成において中軸
    的かつ主要な地位を獲得し、各指導者の特色がこの構造及
    びムスリム同胞団の総合計画を実施する際の役割に影響を
    与えた。下部の管理構成(局、委員会、部)は、特に危機
    的局面において同胞団の柔軟性及び応用性を強化するため、
    組織管理に極めて重要な役割を担っている。
  • 特別部門は、同胞団の重要な決断の特定に主軸的な役割を
    果たしている一方、過激派ジハーディスト及びテロ組織や
    団体の根源であるため、結成当初から現在に至るまで、ム
    スリム同胞団の組織構成の最重要な基礎である。
  • 組織や管理構造は、ムスリム同胞団が組織的であることを
    示しているが、 同胞団の業務遂行の仕方は個人的かつ私
    的傾向があり、最高指導者や上級幹部が意思決定過程を支
    配している。その例として、ムスリム同胞団の組織及びピ
    ラミッド構成においては、シューラ議会は高い地位にあり、
    大きな権限を有するが、この権限は限定的なものであり、
    最高指導者の管理下に置かれている。すなわち、シューラ
    議会は、西洋に対する同胞団のイメージを向上し、近代民
    主主義を支持するという印象を与えるための盾又は形式に
    過ぎないものである。
  • 組織及び管理構造の進化は、一定ではないムスリム同胞団
    と歴代エジプト政府の間の関係を反映している。前世紀の
    1954 年から70 年代前半まで任期が続いたジャマール・ア
    ブドゥル・ナーセル大統領及び任期が2014 年6 月から始
    まり現在まで続くアブドゥル・ファッターハ・エルシーシ
    現大統領の時代は類似性があり、この関係は衝突と争いに
    特徴付けられる。この結果、同胞団の組織及び管理構造の
    縮小化、及び動員力の大幅削減が行われた。その一方、同
    胞団に対する扱いについて故ムハンマド・アンワル・サダ
    ト元大統領と故ホスニー・ムバラク元大統領の在任初期は、
    類似性があり、同胞団との関係は寛容的、柔軟的かつ協力
    的であった。この結果、同胞団が組織及び管理構造の大幅
    な再結成に成功し、それにより、政治的及び社会的情勢に
    おいて有力な当事者になった。ムバラク政権の終盤におい
    てこの関係は衝突に変わり、やがて安全保障的及び法的プ
    ロセスを経て、同胞団は再び禁止され非合法組織として扱
    われることになった。
  • 同胞団の組織及び管理構造は継続性、一貫性、応用性など
    の強みがある一方、様々な欠陥もある。例えば、同胞団の
    幹部と次世代の青年の間の抗争に関係するものや特別部門
    の人員の支配に関係するものに加え、国民国家の曖昧さな
    どである。それに加え、この組織構造内での昇進過程は親
    族や密接な関係にある者へのえこひいきに基づいている。
    そのため、同胞団はエジプトで権力の座に就いた年(2012
    年~2013 年)に国家的要務を担う能力を有する人材を確
    保することに失敗した。
  • 同胞団の組織構造の長短所の仮設検証により、ムスリム同
    胞団の内部の社会的、政治的、組織的の変化により、多様
    な長所があることが明かにされた。さらに、同胞団が結成
    から2013 年6 月30 日の革命以降まで直面した危機や課題
    管理における短所が明らかにされた。
  • 2013 年6 月30 日の革命はムスリム同胞団の歴史の転換点
    になった。この革命は、同胞団の組織及び管理構造に大き
    な揺さぶりをかけ、今は停滞、低迷、空白の悪循環に陥っ
    ている。それは同胞団の将来及び組織構造の再構築に関す
    る幹部間の亀裂及び論争として表れ、今後同胞団は、特に
    国内外において孤立した状況下での組織の再編成の可能性
    への兆候が見えない。
  • ムスリム同胞団は政権を握った一年の間にトルコの公正発
    展党の経験を活かし、国の要職を支配しようとした。また、
    イランの革命防衛隊の経験から着想を受け、政府と併行す
    る治安機関を設けた。

: 18-May-2020



Reviews (0)


       


Related Publications